平成29年9月
池田さん宅 お棚拝見
九月下旬、月例会後、松本会長にご一緒願い、御歳七十九才の池田恬男さんのお棚拝見です。横浜市鶴見区・JR鶴見駅から徒歩七分、西口商店街から至近距離のご自宅、築後六年の二世帯住宅の豪邸脇の庭に案内されました。大小二百鉢強の盆栽が、所狭しと並べられた棚は圧巻です。当会に入会して、まだ七年でこれだけの小品を入手したものだと驚きです。主に川崎農協で定年まで勤めあげ、盆栽を始めたのは二十九才頃、義父の盆栽の灌水がきっかけとのこと。以来五十年の経歴です。殆ど独学でしが、縁あって当会に入会、現在では、大塚園芸盆栽愛好会(現会長)、三渓園さつき会にも所属し、幅広く活躍されています。さて、棚の盆栽ですが、長年の経験による選定眼の賜物で、多分手を入れれば即実践(展示可能な)の樹ばかりです。
棚を拝見して、今後の参考になればと、勝手ながら感想をのべます。
・思い入れがあると思いますが、大型盆栽は処分しては?(今後、植替え、整姿等が大変)
・空いたスペースに余裕をもって小品盆栽を再配置する。(日照・通風・観照を考え、各種の全体、幹、枝筋が見えるように、常に樹格向上の剪定、改作等のヒントが生まれる)
・松柏類と雑木とは分けて配置(日照と灌水の関係で)松類は棚の中で一番日照の良い場所に置き、しっかりと乾かし、たっぷり灌水することを心掛けると短葉でツンとした葉になる。(培養土、施肥も雑木以上に気づかって下さい)
・雑木は、足元、幹筋、年数等立派な樹ばかりですが、枝数、枝棚(曲付け)に集中して樹作りしてみてはいかがですか。月例会等に持込み、講師等の助言を聞き、重点的に実践して下さい。数段、樹格が向上しますよ。
・培養、管理が大変ですが、全体に鉢を小振りに(または浅い鉢)に植え替えても良いと思います。特に植替え時、前後・左右の角度を少しかえるだけで、樹姿が変わっていきますよ。
ところで、月例会での池田さんは、常に温厚で無口です。今回、初めて本人に聞きますと「こんな事を聞いたら笑われるのではないか・・・」と笑って答えてくれました。
今後は大いに語っていただいて、お名前の如く恬き恬きと元気で、当会から百歳の会員が生まれますよう期待しています。
(記 島津)